
ネットゼロ(温室効果ガス排出実質ゼロ)の実現は、産業政策および科学技術振興政策における重要なテーマとなっています。世界各国では、2050年のネットゼロ目標に向けて、再生可能エネルギー、スマートグリッド、系統用蓄電池、水素エネルギー、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)、サーキュラーエコノミー、低炭素製造などを軸に、エネルギー構造および産業構造の転換が加速しています。
近年では、AI、デジタルツイン、ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)をはじめとするテクノロジーの急速な進展を背景に、ネットゼロ政策も、個別の二酸化炭素削減施策から、部門横断的に統合されたシステム型の意思決定プロセスへと発展しつつあります。データドリブンな分析やシミュレーションの活用により、エネルギー管理、温室効果ガス排出量のモニタリング、政策立案の効率性および精度の向上が進んでいます。
さらに、炭素費や排出量取引といったカーボンプライシング、炭素国境調整メカニズム(CBAM)、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)によるサステナビリティ開示基準、ESG情報開示など、国際的な炭素管理制度の整備も着実に進んでいます。これにより、企業にはより高度な温室効果ガス排出削減目標の設定やガバナンス体制の構築が求められるようになり、ネットゼロ関連技術は単なる環境対応の枠を超えて、企業競争力やサプライチェーン管理の中核を担う要素へと広がっています。
今後のネットゼロ政策においては、技術革新、DX、領域横断型の共創が一層重要になります。エネルギー、交通・物流、建築・不動産、製造、都市ガバナンスなど多様な領域を融合し、レジリエンス、低炭素性、持続可能性を兼ね備えた産業エコシステムを構築していくことが不可欠です。世界的なネットゼロ政策の潮流、重要技術の進展、国際制度の変化を継続的に把握することは、政府機関や民間企業が将来の市場変化を先取りし、グリーン成長と持続可能な発展に向けた新たなビジネス機会を創出するうえで極めて重要です。


NRIは、科学技術政策、エネルギー転換、サステナビリティ分野における研究・コンサルティングに長年取り組んできました。政策立案、定量分析、技術トレンド分析、省庁横断型の合意形成支援などにおいて豊富な実績と知見を有し、科学的モデルの構築、国際政策研究、ネットゼロロードマップの策定、実証現場の推進、事業戦略の策定に至るまで、統合的なコンサルティングサービスを提供しています。
また、ネットゼロ政策、エネルギー転換、スマートグリッド、再生可能エネルギー、系統用蓄電池、水素エネルギー、カーボンマネジメント、CCUS、AI・DXなどの重要テーマに関する世界動向を継続的に把握し、官公庁や民間企業が国際潮流を踏まえたうえで、実行可能性と先進性を兼ね備えたネットゼロ戦略を構築できるよう支援しています。あわせて、低炭素技術の導入や領域横断型の共創を推進し、研究開発成果の社会実装・事業化を加速することで、産業競争力の強化と台湾社会におけるネットゼロガバナンス能力の向上に貢献しています。
■ ネットゼロ政策・科学技術戦略の立案
国際的なネットゼロ政策、技術開発トレンド、産業転換戦略を分析し、台湾におけるエネルギー、産業、科学技術の発展ニーズを評価したうえで、政府によるネットゼロ技術推進政策、研究開発ポートフォリオ、産業発展戦略の策定を支援しています。
■ ネットゼロ技術に関する計量モデル構築と意思決定支援
エネルギー、CO2排出量、費用対効果、政策波及効果を評価する定量分析モデルを構築し、各種政策手段や技術ソリューションが排出削減、マクロ経済、産業に与える影響を分析することで、政府のリソース配分、政策立案、投資判断のための客観的な根拠を提供しています。

■ ネットゼロ実証フィールドの構築と産業振興
ネットゼロ実証フィールドの企画、省庁横断型の合意形成、ステークホルダーとのコミュニケーション、技術検証などを通じて、スマートエネルギー、低炭素都市、スマート交通・物流、産業分野におけるCO2削減といった応用の推進を図っています。これにより、ネットゼロ技術の社会実装を加速し、他地域・他分野への横展開や再現性の高い推進モデルの確立を進めるとともに、政府、民間企業、大学・研究機関が一体となった持続可能なイノベーション・エコシステムの創出を促進します。